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住まいの問題に関すること
窓の結露がひどくて困っています。対処方法はありませんか?
窓だけの結露の問題であれば、窓ガラスを複層ガラスに取り替えれば解決します。既存のサッシままガラスだけ複層ガラスに取り替えることも可能です。
窓ガラスが結露する場合、内壁や押入れの中などが結露しているケースは多くあります。室内が結露している場合は原因は2つ考えられます。建物の断熱不足と室内の高湿度です。
それぞれ対応策は異なりますが原因を明確にして結露を確実に防ぐ方法は幾つもあります。建物の構造や条件によって最善の対応策は異なりますので現地調査が必要です。当面 の対応策は常々換気を図ることです。
シロアリ対策の薬害が気に掛かるのですがどうすべきでしょう?
シロアリから住宅を守ることは大切です。しかし人の健康を守ることの方がもっと大切です。ヒバ・檜などシロアリに強い木材もあります。銅板の敷設(銅板敷設基礎パッキン工法)も防腐、防蟻に効果があります。シロアリは光や乾燥、微風に弱いので、風通しの良い湿気の隠らない床下環境を造れば薬剤を使わない設計方法で防蟻防腐処置を講じることが可能です。微粉炭添加コンクリート打設工法も床下をマイナスイオン優勢環境にしますので、防腐、妨蟻に効果があります。
部屋の壁紙にカビが生えて気持ち悪いです。壁紙を張り替える対処法で良いですか?
壁紙にカビが生える最大の原因は結露です。抜本的な結露対策を講じないと壁紙を張り替えても再度カビが生える可能性は高いと考えられます。室内にカビが生えると居住環境は大変悪くなっていますので、ほっておかないで早く対処されることをお勧めします。我国は春から夏にかけて高温多湿の気候ですので、通 風や換気を配慮した設計にしなければなりません。また呼吸する仕上材を採用することも重要です。
木造住宅の1階の床がふわふわする部分があり、いつ床が抜けるか心配です。どうすれば良いですか?
戦後建てた住宅やプレハブ住宅は洋室や台所等の床にほとんどの住宅で合板を使っています。Pタイルやクッションフロアー、カーペットの下地はほぼ100%合板下地です。また木の床(フローリング)であってもほとんどは複合フローリングでラワン合板の台板の上に天然木をスライスした極薄い単版が張り合わせラれているのです。戸建て住宅の1階に複合フローリングを張れば20年前後で床はぶかぶかしてきます。合板の耐久性が短いからです。
予算がなく一時凌ぎで良かったら、その複合フローリングの上に単層フローリング等を重ね貼りをすれば条件にもよりますが10年ぐらいは住み続けられるでしょう。施工の前には出入り口の建具の下枠(沓摺や敷居)の取合いやレベルの調査と対策が必要です。
確実に直したい場合には、床下に微粉炭を添加した防水コンクリートを打ち大引や根太も替え単層フローリング(出来れば杉厚板(30mm)が良い)を貼りたいものです。無垢材を使い自然塗料で仕上げれば心地よい床が再生出来ます。
夏2階が暑くてクーラーなしでは眠れません。対処法はないでしょうか?
戸建て住宅の2階の居室が夏に暑いのは小屋裏の断熱不足が主な要員です。
最近の住宅は屋根に平瓦やスレート瓦などを採用するので屋根の断熱は古来からの日本瓦に比べて悪くなっています。2階の居室の居住性を高めるためのは屋根や天井裏の断熱がすこぶる重要です。
既築住宅の場合は天井裏にセルロースファイバーを100mm程度吹き込むと断熱性能は大幅に向上します。そうすれば冬も暖かで冷暖房費は大幅に削減できるでしょう。
新築の場合は逆垂木屋根通気工法を採用すると2階の居室は夏涼しく冬は暖かですこぶる良い居住環境となります。また小屋裏空間が居室空間となりますので開放感のある空間となります。
代々伝わる家に住んでいます。由緒ある建物なので建て替える勇気がないのですがどうすればいいですか?
古い民家は現在は貴重な建築物です。古民家を再生する建築手法があります。新建材等を使い小手先の改装をすると取り返しのつかない場合もありますので注意が必要です。
どのように再生させるかは、建物の現状や居住者のライフスタイルもありますので一般解はありません。現地調査とヒヤリングをして計画案の作成となりますので御相談下さい。
結露対策には何をすればよいですか?
窓ガラス、タンスの裏の壁、押入れの壁など、冬は結露に悩まされる住宅が多くなります。結露は室内空気温と仕上げ面の表面温度の差の大きいときに、仕上げ材表面に水滴が出来る現象で、温かい湿った空気が気温の低い物体に触れ、飽和蒸気圧(相対湿度100%)を超えると起こります。
結露を防ぐ方法は幾つかありますが、まず室内の湿度の上昇を出来るだけ抑えること。たとえば石油ファンヒーターなど開放型燃焼器具は避け、パネルヒーターやエアコンなどに変えると効果はありますが、費用の問題もありすぐできることではないかも知れません。すぐ実行できることは室内の湿った空気を屋外に排出すること、つまり換気を良くすることです。
理論的には室内のガラス面や壁面などを室内温度に限りなく近づければ結露は起こりません。つまり、窓ガラスや壁面などの断熱性をよくすれば結露は起こりにくくなります。
視点を変えれば、結露する住宅は断熱性が悪いと云うことです。冷暖房のエネルギーロスが大きいわけですから、高断熱化の改修(リフォーム)をすれば問題は解決されます。窓は複層ガラスに変えれば結露しにくくなります。インナーサッシを設け2重窓にするのも効果があります。壁体には、断熱材を挿入する方法がありますが、難しい場合は断熱性の高い仕上げ材を貼る手法もあります。また、壁紙の下地に断熱シートを貼る方法もありますが、壁面に厚めの無垢の杉板を仕上材として張る方法の方がより優れた結露対策になるばかりでなく、室内の空気質と居住性がよくなります。
健康に関すること
花粉症ですがエコロジー住宅にすると効果 がありますか?
花粉症も人体に蓄積した化学物質(体を酸性化)が影響していると云われています。健康増進住宅(エコ住宅)をつくり少しづつ体質改善を図ることが大切です。花粉症も対症療法ではなく、室内空気環境やライフスタイルを変え体質改善図りたいものです。マイナスイオン治療の効果も報告されています。
子供が喘息・アトピーなのですが、エコロジー住宅にするのが望ましいですか?
喘息やアトピーに建築材料に含まれている有害な有機化学物質が少なからず影響しています。新建材を多く使った新築住宅からはどうしても化学物質が室内空気に放散します。化学物質無添加の家づくり(エコロジー住宅)が必要です。室内に揮発する化学物質の他、カビやダニ、ほこりなどの影響も否定出来ません。カビ、ダニ対策にもマイナスイオン優位環境づくりは重要です。
アレルギーがあるので床暖房にしたいのですが、電気とガスはどちらが健康に良いですか?
床暖房は頭寒足熱で理想的な暖房方法です。最近は温水の床暖房が健康にもよく人気が高く伸びています。温水床暖房の熱源は電気でもガスでも石油でも良いのですが、ランニングコストと維持管理の観点からガスの熱源がお勧めです。
電気の床暖房は初期費用は安いのですが、ランニングコスト、電磁波、床にものを置いたとき熱が隠りやすいと云う問題がありお勧め出来ません。
温水、電気いずれの場合も新建材(床暖用複合フローリング)の採用は熱で化学物質(ホルムアルデヒドなど)放散させやすいので避けたいものです。
少々隙間は出ても無塗装の単層フローリングの採用が健康にはベストです。
温水床暖房に杉厚板(30mm)をフローリングに使っても十分暖かくなります。
住宅に関すること
住宅の高気密化は必要でしょうか?
高気密化は省エネルギーには効果的です。しかし人の健康にはマイナス要素もありますので注意が必要です。瀬戸内の温暖で多湿な気候風土では高気密化がベストな方法ではありません。適度の自然換気の配慮が必要です。最近の建築手法ではアルミサッシの気密化も進み大壁で造るので既に気密住宅になっています。
一部の高気密住宅のように床下から外壁、天井裏まで発泡材などで包んだ住まいが人に良い波動になると思いますか?火災の時の有毒ガスはどうでしょう?
高気密・高断熱・計画換気の住宅はどこに問題がありますか?
工学的視点では省エネで優れています。しかし住宅に棲むのは人間という生物であることを忘れてはなりません。『保護すれば弱くなる』というのは生物学の大原則(小原二郎先生の教え)。機械に頼る暮らしをつづけていたらモヤシのような人間になるかも知れません。そして、自然に逆らえばコストが掛かるばかりであることも忘れてはいけません。環境時代の今日は少なくとも住宅は自然の力を活用する省エネ手法を考えることが大切です。空調設備などに頼り自然に対峙するインターナショナルスタイルの建築手法を住宅に取り入れるのは関心できません。住宅は癒しの場でなければなりません。心身を癒し健康を回復させる家づくりが大切と考えています。
住宅を考えるとき何が大切なポイントでしょうか?
天地自然の理に叶ったバランスの良い家。
プラスチックを多用した建築材料や部材を使った住宅でシックハウスになるということは、被害者であると同時に、加害者であることを忘れてはいけません。寿命も短く建物の解体時に土に還らない粗大ゴミで地球に負荷を掛けてしまいます。木・土・紙などをできる限り多く採用し大地に還る家づくりが大切であることを御理解下さい。
大地の創る自然の力を活用する設計で、住むほどに魅力を増してゆく家を創らなくてはなりません。住宅は住む人の疲れを癒し健康を育むものであるべきと考えています。便利主義・合理主義よりもエコロジー主義で考えることが大切だと思います。
マンションに住んでいますが、健康素材を使ってリフォームしたいと思っていますが、可能ですか?
十分可能です。分譲マンションは鉄筋コンクリートの床、壁、天井の内側の仕上材(下地を含む)は自由に改装出来ます。床を単層フローリング等無垢材で張り替える場合は床レベルを合わせるための下地レベルの調整や下階への防音対策などが必要となります。下地の構造と予算が許せば杉厚板(30mm)を床に張り、自然塗料で仕上げれば、床座の暮らしも可能で心地よいエコライフも可能です。
床が無理の場合壁面や間仕切に杉厚板(30mm)を採用することをお勧めします。杉は断熱性や調湿性に優れているので居住性は大幅に向上します。出来ればおび杉(宮崎産)を採用すれば木の香の香しい空間が出来ます。
手漉きの和紙を壁面に自分で貼る『セルフビルド』のリフォームも楽しいもの、セルビルドにチャレンジしてみて下さい。
マンションのモデルルームで気を付けて見ておくべき部分はどこですか?ポイントを教えて下さい。
マンションのモデルルームの雰囲気を観て購入を決心するのは危険です。モデルルームの雰囲気はインテリアを演出するインテリアエレメント(家具、什器、カーテン、照明、アクセサリー等)の質と演出のデザインで決まります。これらは建物とは別で一般に数百万のエレメントを使い洗練されたインテリアコーディネーター達が演出をしているのです。購入するのは、これらとは違い空間の区分所有権をですからその価値を見極めなければなりません。
モデルルームの見学で見極めなければならないのは建物(区分所有空間)の価値です。そのポイントは階高、天井高、南面開口部の内法高、床下の構造、壁、天井の下地の納まり、仕上材や設備の質の見極めです。
これらを見極めるには矩計詳細図(かなばかりしょうさいず)を読み取ることが必要です。販売事務所には必ず備え付けてありますので見せて頂きチェックしてみましょう。マンションの質は階高で決まると云っても良いくらいです。住宅は面積でなく室内の容積で価値判断をする時代です。
マイナスイオンとはどのようなもので、どのようにしてできるのですか?
電気的に中性な原子になんらかのエネルギーが加わって、原子核の周りを回っている電子が弾き飛ばされたとき、電子を失ったものがプラスイオンで、はじき出された電子が近くの原子または分子に結びついてマイナスイオンになると云われています。
滝つぼの回りにマイナスイオンが多いことは良く知られています。これはドイツのレナード博士が発見しましたので、水破砕法でマイナスイオンを発生させることをレナード効果と呼んでいます。このほか高い電圧で放電した方法や微細な放射線を発生させる方法、特定波長の遠赤外線によるものなど、自然現象でも人工的にもマイナスイオンを造ることが出来ます。
マイナスイオンは、健康に良いのですか?
マイナスイオンと健康の関係は多くの学者が研究成果を発表しています。 細胞機能活性化や酸性血液のアルカリ化、免疫機能の向上など健康に良い作用があると報告しています。また、マイナスイオン環境では微生物の殺菌やカビの増殖をおさえることの研究が玉川大学などで実施報告されています。
滝つぼの回りや森林浴などマイナスイオンが多い環境では人は心地よく感じます。心地よい環境は健康にも良いのでしょう。
ペンシルビル(広島市中区袋町)で微粉炭添加コンクリート打設工法でマイナスイオン環境ビルを建て(1998年7月竣工)屋上緑化を行いクローバーの種を蒔き観察しておりますが、2002年5月にはクローバーの葉の幅が15cm、茎の長さが65cmの巨大クローバーに成長していました。
リビングなどの吹抜けのメリット、デメリットを教えて下さい
かつてはリビングルームなどに吹抜けを造ると、冷暖房効率が悪くなるケースが多かったようです。しかし今日では、建物の高断熱化・高気密化により冷暖房の熱損失が小さくなり、さらにエアコンの高性能化により以前のような不都合は大幅に解消されています。
吹抜けのデメリットを敢えて言うならば、冷暖房効率が少し悪くなることと、吹抜けの2階の部分は建築基準法の床面積に算入されないので、総工費を延べ床面積で割って建設工事単価を出せば割高になります。一般的には吹抜けの2階部分も施工面積に加えた施工面積当たりの建設工事単価で考えるのが正しい判断基準でしょう。
逆に建築基準法では、吹抜けの2階部分が床面積に算入されないので、限られた容積制限の中でできるだけ大きい建物を建てたときにはこの法解釈を活用するメリットがあります。
また、吹抜けの最大の効果は居室の解放感でしょう。四角な箱のような居室より、天井の一部が高く吹抜けになっている方が空間に面白さが演出されて快適で楽しいに違いありません。1階のリビングやダイニングと2階の子供部屋などとの気配のコミュニケーションは家族のきずなを深める効果も期待できます。
また、吹抜けや傾斜天井により容積の大きい空間を造ると空気の上昇気流が生じやすいので、最上部にジャロジー窓など排気窓を設けると夏に通風による涼感が楽しめます。
建材等に関すること
エコ住宅の断熱材は何を使用しているのですか?
床下地や屋根下地など水平方向の断熱には杉厚板(30mm)を採用しています。
問題の多いグラスウールは使用していません。断熱材は断熱係数だけでなく、長期性能、ホルムアルデヒドの放散、防湿性能、そして火災時の有毒ガスなど総合的な観点から選択しなければなりません。
屋根の遮熱には逆垂木屋根通気工法に燃やしても有毒ガスの発生しないポリエチレンフォームを採用しています。予算があれば、壁体の断熱材としてはサーモウール(羊毛)、セルロースファイバー、炭化コルクなどがお勧めです。
塗料にもエコ仕様がありますか?
エコ塗料は人体に有害な石油系の溶剤や化学物質を使わない自然塗料で地球や人間に優しい塗料です。エマルジョンペイント(水性塗料)でも硬化剤に鉛など有害物質を含まないものをエコ塗料と云います。ドイツのリボスや大阪のターナー色彩などがエコ塗料を製造販売しています。
無垢のフローリングでも表面にポリウレタン樹脂塗装を施した製品はエコ建材としては疑問が残ります。これは無垢の表面にプラスチックで固めた状態ですから、木の調湿作用が失われるばかりではなく冷たく木の感触も失われてしまいます。複合フローリングは合板台の上に極薄い単板が張り合わせた商品ですから単板の保護のため耐磨耗性の高いプラスチック(ポリウレタン樹脂)で固めなければならないです。
プラスチック塗料で固めらてた木の床材はツルツルピカピカで汚れ難く掃除も楽です。ツルツルピカピカの感性で楽な暮らしに慣らされてしまったからシックハウスの問題や虚弱な子供が育っていることを反省しなければなりません。価値感やライフスタイルを改めないと住いで健康は育まれないことでしょう。エコ塗料は性能は高分子塗料に比べおとり、手入れの必要な不便な塗料です。便利さと健康(材質感など)のバランスで選択すれば良いでしょう。
床材などの木材は好みで選べるのでしょうか?
エコ住宅では複合フローリング(合板台化粧単板貼付床材)は採用していません。単層フローリングという無垢板を使いますが、楢、桜、ケヤキ、タモ、栗、楠、松、杉、檜、チークなど用途、、デザイン、嗜好などによりベストな材を選んでいます。リビングルームは近年、椅子座から床座の暮らしを好む方が増えています。床座の場合には杉厚板(30mm)のフローリングで自然塗料拭き仕上にすると杉のほど良い柔らかさっと暖かさで大変心地よい空間が造れます。楠を押入れの中段の床に採用すると防虫効果とアロマテラピー効果が期待出来ます。木はそれぞれ特質を持っていますので、木を良く知り適材適所で設計することが大切です。
DIYショップで売っている建材と、建材店が扱っている建材、プレハブ住宅に使われる建材の違いはありますか?
当然違いがあります。DIYショップは素人を主たる対象にした販売店ですので、基本的には上質なもの、プロ用のものは置いてないと考えた方が無難です。建材なども規格外品が多く、大工道具等も素人用で長持ちはしません。
上質のものを使いたい場合は工務店向けの大工道具店、建材店や専門店で買い求めるのが良いでしょう。プレハブ住宅に使われている住宅部品や建材はクローズド部品で市中には流通していません。クローズド部品で造られた住宅は増改築のとき市中で部品や建材などが入手出来ないので困ります。
戸建住宅の断熱材は、何を使用すると良いですか?
現在、住宅の断熱材として最も良く使われているのは、グラスウールです。なぜかと云えば最も安価だから。次ぎにロックウールでしょう。これは次に安いから。業者まかせの住宅は断熱材に限らずある程度の性能があり最も安く施工性の良いものが使われてきています。
グラスウールもロックウールも計算上の断熱性能は良いのですが、高温多湿な我国では壁体内に使用すると内部結露の危険性が高く、一度内部結露を起こすと水分を吸ったこれらの断熱性能はほとんど期待出来なくなります。またホルムアルデヒドが出る可能性があり健康にも良くありません。
我国の業界には初期性能だけで性能評価してPRする悪い習慣があるようです。
コストを考えなければサーモウール(羊毛断熱材)が調湿効果もありベストです。ドイツではセルロースファイバーが多く使われていました。これも調湿がありお勧めの断熱材です。屋根下地の断熱(遮熱)にはサニーライト(ポリエチレン発泡体)がよいでしょう。ポリエチレン、ポリプロピレンは燃やしても有毒ガスが出ません。
フローリングや壁、天井にはどんな木材が良いですか?
居室の床のフローリングの選び方は、居室の用途、空間イメージ、嗜好などによって異なります。複合フローリングの場合は銘木の薄い化粧単板が合板台の上に貼られ、表面にポリウレタン塗装がされており、樹種が違っても色調が異なるだけですが、無垢のフローリングの場合は樹種によって特徴があり性能も異なるので、目的や用途によって樹種を配慮して選ぶことが大切です。
無垢フローリングの樹種は針葉樹と広葉樹に大別され、それぞれに輸入材(外材)と国産材があり、それによっても特徴が異なります。一般的に針葉樹は木肌の肌理が細かく柔いものが多いのでソフトウッドとも呼ばれます。一方、広葉樹は木肌が粗く硬いものが多いいのでハードウッドとも呼ばれています。
こうした樹種の特性からリビングルームやキッチン、玄関ホールなどは広葉樹が採用されます。また、広葉樹は樹種により木目や色調、硬度が大きく異なりますから、暮らし方や好みによって選ぶことになります。フローリングに使われる広葉樹の国産材はナラ、クリ、タモ、シオジなどに限られ、ほとんどは外材が使われています。外材の広葉樹ではミャンマーチーク、ウォールナット、クルミなどは肌理が細かく上質で人気がありますが高価です。
針葉樹は国産材の杉又は桧が多く使われています。外材ではパインが主流です。最近は我国の住文化である素足の暮らしを楽しみたいと考える人が増えており、肌触りの良い杉や桧をリビングルームや寝室などに採用するケースが増えています。仕上げの塗装は、無垢のフローリングを採用する場合は、針葉樹広葉樹共に木の持つ味わいや調湿効果などを活かすために、自然塗料を採用することをお勧めします。
壁に板材を使う場合は四方全面に貼るとデザイン的に煩くなりますので、壁の一面だけ又は腰壁に採用するのがよいでしょう。壁に貼る樹種は床材との調和を考えて選びます。
天井に無垢の板を貼った居室は壁紙に比べコスト高ですが、雰囲気も空気質もよくなりお勧めです。天井に貼る樹種は針葉樹が適しており、杉が多く採用されています。最近では和室の天井にこれまでの合板下地の貼天、ラミ天ではなく、薄い無垢板を貼るケースが増えています。
自然素材の手入れ方法を教えて下さい
自然素材で手入れが必要なのは、無垢の単層フローリングですが、無垢の床材を使っても表面にポリウレタン塗装をしたものは、複合フローリングと同様に時々ワックスをかけ塗装表面に小さな傷が付くのを防ぎます。しかし無垢フローリングにポリウレタンなどコーティング塗装をすると、自然素材としての価値は半減してしまいます。
無垢フローリングの材質感、調湿性、素足の感触などの価値を活かすには天然オイル仕上げにするのがベストです。オイル仕上げの場合、日常の手入れは掃除機をかけた後、時々雑巾で乾拭をします。定期的な手入れとして1~2年ごとに、よく掃除をした後にオイルを磨り込むとよいでしょう。
オイル仕上げの無垢フローリングの手入れ方法として、メーカーなどの手入れガイドブックには「水拭は極力避けましょう」と書かれていますが、かたく絞った雑巾で月に2~3回雑巾かけをすると素足に心地よくなるものです。
なお、自然素材建材の対極にあるのが、住宅の壁、天井に現在最も多く採用されている塩化ビニル壁紙でしょう。床材ではクッションフロアーと呼ばれている塩化ビニル長尺シート、タフテッドカーペット等が化学製品で、複合フローリングは木材由来の工業建材であり、自然素材とは呼びません。
大手住宅メーカーの住宅やマンションでは、多くの人たちが木だと思っている室内のドアやドア枠、幅木、額縁などは、実際は新建材(MIF)に塩ビ等に木目を印刷したシートを貼ったものが使われています。
新建材の手入れいらずの便利な住まいより、自然素材で造った手入れの必要なほどほどの不便さのある住まいの方が心地よく健康な住まいになることでしょう。
エコ住宅に関すること
エコ住宅の工法は決まっているのですか?
エコロジー住宅はどのような工法でも可能です。用途、規模、付近の環境条件を勘案してベストの工法を決めています。大地に還る建物としては郊外であれば木造在来軸組工法がベスト、市街地であれば鉄筋コンクリート造が良いと考えてます。なぜ木造在来軸組工法が良いかと云えば、人、家、地球の健康に良いからです。家の健康に良い工法の訳が理解し難いと思いますが、木造軸組は設計が良ければ軸組は100年程度の耐久性があり、将来の間取りの変更や増改築がし易い工法なのです。また、我国は夏期に多湿なので建物の足元回りが傷みやすいのですが軸組は傷んだ箇所のみを取替えることが可能です。
鉄筋コンクリート造も微粉炭添加コンクリート打設工法を採用すればマイナスイオン優勢環境を創れますので結露もしにくく健康を増進できる住宅ができます。
エコ住宅の耐用年数はどのくらいでしょうか?
今日、我国の住宅の平均耐用(更新)年数は30年を割っています。フランス80年、イギリスの140年余りに比べて、我国の住宅は余りに寿命が短いのです。その主な要因は新建材を安易に多用しているからだと考えられます。これからの住宅は100年以上快適に住み続けられることが必要条件でしよう。銅板敷設基礎パッキン工法、微粉炭添加コンクリート打設工法等の採用や仕上材に自然素材を採用し長寿命住宅を実現しなければなりません。
自然素材を使ったエコ住宅のメンテナンスは簡単に出来ますか?
工業製品でない自然素材は適度の手入れをすることにより年月の経過とともに味わい魅力を増ししてゆきます。新建材など工業製品は新築時が最高の価値で年月の経過とともに劣化し色褪せてくるものです。これからは、自らの家を自らの手でメンテナンスする心掛けが大切です。これもエコロジカルライフスタイルです。
私の自宅は床材に杉厚板(30mm)を採用し自然塗料拭き仕上げにしており、月に2~3回程度硬く絞った雑巾がけをしていますが、すこぶる心地良いフローリングになっています。温水床暖房をしているリビングは栗の無垢フローリングで床磨きは妻の日課ですがエクササイズになるようです。
エコ住宅は高くつくのではありませんか?
確かにイニシャルコスト(建設費)は1~2割高価でしょう。しかし耐用年数は3倍となり破棄処分費も少なく、ランニングコスト(維持費)も少なく、ライフサイクルコストは有利となります。何よりも健康に良く快適な住まいとなることが魅力です。これからは本物の材料で良い家を造り末永く快適に暮らすライフスタイルが大切です。これまでのような新建材を多用して早く安く家を造り、早くスクラップ&ビルドの手法は改めなければなりません。多くの戸建住宅団地では住宅ローンが終わる頃に住宅は傷み、建て替えを余儀なくされています。構造体は高耐久で設備は簡素に、窓断熱や床材に予算をとり上質な設計するのがエコ家づくりの秘訣です。
エコ住宅のメリット・デメリットは何でしょう?
メリットは地球環境にも人間の健康にも良いこと。健康を増進できることでしょう。デメリットは建築費が少し高くなること。日頃の手入れが必要なことでしょう。家を造るとき、建てた家で暮らすとき、将来家を解体するとき、地球環境に負荷を掛けない設計がエコ住宅です。エネルギーを多用した建築材料を使い、年中エアコンと機械換気のエネルギー多消費で暮らし、建物の寿命が短く建物解体時に建設廃材を多く出す家づくりはエゴの家づくりです。エゴからエコへの転換が大切です。
エコ住宅は省エネルギ-住宅になりますか?
省エネルギーはエコ住宅の大切な要素の一つです。エコ住宅はパッシブソーラー(自然の摂理を活用)による省エネ工法を採用しています。冬は太陽光による採暖、夏は自然通風、そして年間を通じて適度の自然換気を配慮した設計手法をとっています。もちろん良質の断熱材料を用い高断熱化も大切です。
省エネのために放射冷却対策や頭寒足熱暖房法など設計手法が大切です。
エコ住宅(地球に抱還る家)はどのような住宅ですか?
地球と人に優しい建築で健康を育む住宅です。エコロジーとは人間と環境との好ましい関係づくり全般をいいます。プラスチックを多用した環境に負荷を掛ける住宅は人の健康にも良くありません。具体的には化学物質無添加の家づくりで
(1) 省エネルギーで土に還る材料で造られた家
(2) 100 年以上快適に暮らせる長寿命の家
(3) 家族の健康増進ができる家を目指しています。
制度に関すること
最近シックハウス防止の為に、建築基準法が変わったみたいですが、どのように変わったのですか?
平成15年7月から、シックハウスの主要因である新建材等から発散するホルムアルデヒドの規制が建築基準法でされました。
新建材をホルムアルデヒドの発散量によってランク別けし表示を定め使用制限等を定めています。放散量の最も少ないとされるF☆☆☆☆(フォースター)もホルムアルデヒドが出るし、まだ規制のない家具などからもホルムアルデヒドが出る恐れがあることから居室の換気の義務化もされています。
建築基準法は最低守らなくてはならない基準ですから、F☆☆☆☆の建材を使ったから健康住宅と云う訳でもありません。これからの住宅は有害な化学物質の出る建材はできるだけ使わないのが賢明です。換気も機械換気に頼るのではなく、自然換気や空気の流れる設計が大切です。
改正省エネ基準はどのような内容ですか?
住まいや暮らしの省エネルギーが重要な時代となっています。地球温暖化対策として二酸化炭素の削減が世界的な課題ですが、わが国は3.11の原発事故を背景に省エネルギーが喫緊の課題となっています。
平成11年に「次世代省エネ基準」が決められ、以降省エネ住宅のモデルとなっていましたが、平成25年10月1日から、住宅については「改正省エネ基準」が施行されています。
改正のポイントは、これまでの建物外皮の断熱性能(熱喪失係数Q値)を指標としていた「次世代省エネ基準」では、おもに建物の断熱性能を評価していました。しかし、いくら建物の断熱性能を高めても、家の中で使う設備機器が省エネでなければ、住まい全体で使うエネルギーは効果的に減らすことが出来ないことになります。
そこで「改正省エネ基準」では、外皮断熱(外皮平均熱貫流値)と設備機器、ソーラー発電などを含めて住まい全体の省エネ性能を評価することで燃費の良い家を増やしていこうというものです。
その省エネ評価をするとき、熱量の単位を統一するために「一次エネルギー消費量」という指標を採用することになっています。電気や都市ガスなどニ次エネルギーは単位が異なるのでその元になる一次エネルギーに換算し表示することにより建築主の判断基準にもなります。
この新しい改正省エネ基準は、低炭素・循環型社会の構築を目的に平成24年につくられた「都市の低炭素化の促進に関する法律」(通称エコまち法)にも関連し、政府は2020年までに全ての新築建物に次世代省エネ基準(省エネ対策等級4)に適合するよう義務付けも決めています。
「改正省エネ基準」はこれまでの高断熱・高気密化を推進する省エネ時代から、住宅と環境の未来を見据えた省エネ施策であり、近い将来、日本の住宅は低炭素住宅、ゼロエネルギー住宅へと進化してゆくものと思われます。
依頼先や相談先に関すること
エコ住宅を建てたいとき何処に相談するのが良いでしょうか?
建築設計事務所に相談するのが良いと思います。
住宅設計を得意分野とする建築設計事務所を選ぶことが大切です。それもエコロジー建築に関して専門知識と実積のある事務所がベストです。注文者はどうしても目先のことで判断し易いのですが、プロの長期的視点での専門的なアドバイスやデザインは大きな付加価値を産むことでしょう。
家を建てたいのですが、建築設計事務所とハウスメーカーと工務店のどこにお願いするべきか悩んでいます。
それぞれメリットとデメリットがありますので、良く調べてあなたの価値観によって選択するのが良いと思います。最初の入口を間違うと良い結果(良い家)は出ませんので慎重に行動すべきです。ハウスメーカー住宅展示場回りをすると、執拗な営業攻勢からもう逃れることが困難になることでしょう。
ハウスメーカーは住宅展示場もあり、営業がすべてのお手伝いをしてくれますので便利でしょう。しかし、それらの間接コストを統べてあなたが応分の負担をしなければなりません。地域に根ざした工務店は間接経費が少なく同じ予算であるなら上質の家を建ててくれる可能性があります。ただ設計デザイン力や家づくりに関する情報等ソフト面では欠ける場合が多いようです。
建築設計事務所に依頼すれば質もデザインも高い住宅をつくることができるでしょう。しかし設計料が建築費の10パーセントは必要です。建築設計事務所も得意分野が異なりますので、住宅設計を得意とする事務所を選ぶことが大切です。
健康住宅やエコロジー住宅と謳っているハウスメーカーが多いのですが、すべて本物でしょうか。
難しい質問ですね。今やほとんどのプレハブメーカーや住宅会社が健康住宅やエコロジー住宅を標榜しています。これは住宅に対する健康志向のニーズがそうさせているのでしょう。けれども。本物の健康住宅は少ないようです。
疑わしきものは、『高気密、24時間計画換気住宅』『F☆☆☆☆の建材を使っている』『オール電化住宅』『珪藻土を使っている』などです。その訳は少し極端な言い方をすれば、高気密住宅も計画換気も人間の免疫機能を低下させる恐れがあり健康にはマイナスです。オール電化住宅は便利ですが電磁波に満ちた住宅でプラスイオンが多く健康にはマイナスです。珪藻土はそれ自体は多孔質で調湿効果は期待出来ますが、そのままでは接着力がなく建築材料としては使えないので合成樹脂系(アクリルエマリジョン等)のパインダー(繋ぎ材料)が使われている新建材がほとんどです。珪藻土=健康に良い、と短絡的にPRすること自体が専門的知識の無さを露呈しているようなものです。
建築設計事務所に依頼すると高くつくことはありませんかでしょうか?
建築設計事務所に依頼するとあるレベルの設計事務所では設計料は建設費の10パーセント程度が一般的でしょう。一般的に大手住宅メーカーでは、設計料を含め30パーセント前後の直接、間接経費が掛かっています。建築設計事務所をうまく活用すれば良質の住宅を割安に建設することは可能です。