塩化ビニル壁紙が悪いワケ
こんにちは、ハルツバウハウスでインテリアコーディネーターをしている村重です。
今日は壁紙で一般的によく使われている塩化ビニル壁紙がどうして悪いのか、
その理由をお伝えします。
当社では壁紙で塩化ビニル壁紙は使用しません。
それは体に害があるからです。
ポリ塩化ビニル(塩ビ、PVC)は、
最も毒性が高く危険なプラスチックの1つとして認識されています。
しかし、未だに信じられないほど多くの住宅会社が
塩化ビニル壁紙を使用しています。
塩化ビニルというのは、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride, 通称PVC)
略して「塩ビ」「塩化ビニル」と呼ばれます。
エチレンの1つの水素に塩素を反応させ置換したものが
塩化ビニルモノマーとなり、
これをたくさんくっつけるとポリ塩化ビニルになります。
塩化ビニルは、最も添加剤を多く含むプラスチックのひとつで、
ポリマーを安定にするために熱安定剤が加えられ、
また変形させるために大量の可塑剤が加えられます。
可塑剤としてフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DEHP)を代表とする
フタル酸エステル、安定剤としてビスフェノールA(BPA)や
ノニルフェノールなどが使われます。
フタル酸エステルは急性毒性は低いものの、
発がん性や生殖毒性について報告されいます。
また乳がんのリスクを高める可能性が指摘されています(López-Carrillo et al. 2010)。
ヨーロッパ連合(EU)のRoHS(ローズ)指令は、
フタル酸エステル類のうちDEHP、BBP、DBP(フタル酸ジブチル)、
DIBP(フタル酸ジイソブチル)の4種類を禁止物質に指定しました。
塩ビの原料モノマーの塩化ビニルは発がん性物質として知られています。
また、赤ちゃんや子供への悪影響も報告されています。
塩ビのダストがある家庭の喘息・アレルギー症状の関連性
(Bornehag et al. 2004, Bornehag et al. 2005)や、
子どもに見られる発達障害の1つであるADHD(注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害)
との関連性が指摘されています(Kim et al. 2009)。
こんなにも体に悪影響があることがわかっていながら
なぜ日本の住宅の壁が塩化ビニル壁紙だらけなのでしょうか。
それは塩化ビニルは水や薬品に強く、安価で、施工がしやすいからです。
つまり、施工側が楽に貼れて、儲かるからです。
信じられませんが、これが今の日本の住宅の現状です。
今お住いの住宅の壁をよく見てください。
これから家を建てられる方は、知っておいてください。
壁の仕上げ材には、人間に害のない漆喰や珪藻土、
紙クロスや布クロスといった仕上げ材を選んでください。
もちろん家を作っているのは壁だけではありません。
床や天井の仕上げ材にもぜひ注意していただきたいと思います。
人の体は安全な食事と安全な空気と安全な水から出来ています。
24時間吸っている安全な空気をつくるためにも
良い住宅を建てることを心がけていきたいですね。