【素材の使い分け】適材適所の家づくり09|施工事例から床材や造作家具などの使用素材のメリットを解説

2023/08/31

ホルツバウハウス・インテリアコーディネーターの村重です。
「適材適所の家づくり」第9回目です。
今回はリノベーション事例を解説していきます^ ^

 

■ 施工事例「古いものを活かした古民家再生」を徹底解剖!

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施工事例「古いものを活かした古民家再生」より

 

江戸時代幕末〜明治初期に建てられた築150年(2018竣工当時)の古民家のリノベーションを行いました。
立派な民家で日本家屋の凛とした雰囲気があり、お施主様が大切に守ってきたお家。
私たちもドキドキワクワクしながらも設計を進めていきました。

 

【改修の基本ルール】
1. 状態の良い素材はなるべく残すこと・元の姿を壊さないこと
2. 傷んだ箇所は修復すること
3. 普段過ごすLDKを中心に快適な暮らしができるよう改善すること

 

まず外観部について、古さゆえに雨漏りをしている箇所の瓦の交換から行うことに。
今回は寺社仏閣を手がけるベテランの瓦屋さんに修復を依頼しました。
それから、基礎部分がシロアリに侵されていたため駆除をして基礎から造り替えました。
(古民家改修の場合、基礎の改善が必要なことがあるため幅広い建築知識が必要です。)

 

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家の見た目はなるべく変わらないようにしつつ、外構周りに遊び心を。
駐車スペースの土間には、お施主様宅の蔵に眠っていた瓦を埋め込みました。

 

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こちらは玄関土間です。
ほぼ以前の姿のままに、新たに目隠しになる間仕切り壁を設けました。
麻の葉紋様の欄間は、和室で使用していたものを再利用。

 

玄関戸の頭上にはステンドグラスを製作して設置しています。
様々なカラーをパッチワークのように組み合わせており、朝日が昇るとキラキラ美しく輝きます!

 

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壁内側にはアンティークの照明を移設して設置しました。

 

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玄関の壁は、漆喰を補修塗装。
その際に、お施主様が大切に保管されていた想い出の茶碗の蓋で装飾。
なかなか出番のなかった食器はいつも見える場所で家族を見守ることになりました。

 

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新設した扉にはイギリス製のアンティークステンドグラスをはめ込みました。

 

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古民家の立派な躯体は、現代では貴重な財産です。
元の梁は磨いて、風合いを残しながら塗装しています。
さらにLDKは全体的に断熱改修を行い、年間を通して快適に過ごせるように。

 

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リビングのテレビボードは、蔵に眠っていたタンスをリメイクして製作しました。
ちなみに床は無垢の杉板に張り替えています。

 

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リビングの一角には造作のデスクを新設。
実はこれもリメイクで天板は和室の床地板、収納の扉は螺鈿細工の鏡板を使いました。

 

床地板…床の間に設置する板
鏡板…枠や額縁にはめた一枚板

 

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造作のキッチンは、岡山のキッチンメーカーさんに製作いただきました。
面材には秋田県産のナラを使用しています。
元々L型のキッチンが設置されており、使い勝手の良さから改修後もL型キッチンに。
なるべく以前の位置に調理器具等を収納できるように配慮しました。

 

ナラの特徴…オークと同じブナ科の樹種で、ナラには独特の虎斑模様があります。
どことなく和の雰囲気が漂う木材で、古民家や和風住宅とも相性が良いです。

 

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お施主様がお持ちの有田焼タイルをアクセントとしてキッチンにしつらえました。
より一層愛着を持っていただけることでしょう…!

 

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造作の洗面スペースには、ノスタルジーを感じるマジョリカタイルを♪
毎日洗面しながら見惚れそうです。

 

今回は、貴重な古い素材や古道具を活かしたリノベーションとなりました。
お施主様にも大変喜んでいただくことができ、改修は大成功!
ぜひ皆さんも実家で見つけた一品(年代物)は残しておいて、マイホームに使いましょうね^ ^
それでは次回の事例探究もお楽しみに。

 

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