All By Myself
久々の投稿です。
コロナ禍冷めやらぬ5月中旬、東京のとある女性から会社に電話がかかってきました。「アメリカ人の知人が北広島町で古民家を買いたいと言っているので住宅診断をしてほしい。しかし彼(Mr.J)は日本語を全く話せない。御社はWEB検索で知った。」とのことでした。
翌週空いた日が有ったので、一緒に現地に行くことにしました。
会話は片言の英語とLINEの通訳bot。Mr.Jはデトロイト近辺の田舎出身でヨーロッパ・アジアと渡り歩いて現在中国の賃貸住宅に住んでいる。Airbnbを使って日本各地を回っていくうちに、コロナで中国に戻れない状況に。そんな時北広島町の古民家を空き家バンクで見つけ、もう既に2回見に行って大変気に入ったのでそこに移住したいと思ったとのこと。そして8月から広島のインターナショナルスクールで先生をすることになっている。電話をした彼女とはインターネットで知り合い、会ったこともない。
話していくと半信半疑となり、仕事を捨て、トモダチとして同行することにしました。
北広島町では、町役場のまちづくり推進課・定住推進係の担当者の女性2人が鍵を開けて待ってくれていました。不動産仲介会社不在・・。そこにいたのは買い主以外は私を含め全員(4人)ボランティア。非常に不思議な光景でした。
間取りは田の字型で昭和初期のような建物でしたが、1981年のギリギリ旧耐震時期で、思ったよりはるかに築浅の物件でした。母屋・納屋それぞれ2階建てで合計180坪。土地は田を入れると約1000坪。ここに単身33歳の日本語話せないアメリカ人が単身で住むイメージが全く沸かなかったですが、本人はお構いなし。長大な地松の小屋梁に極太の欅の大黒柱、そして昭和初期の古民家のような厚鴨居。耐震性能や雨漏りなど問題はあるが状態は良いと伝える前にはもう買う気満々。しかしお湯が出なかったり、お風呂がない、そしてトイレが水洗ではない。それも本人お構いなし。リフォームはどうするのかと尋ねると、
「All By Myself。Yes, “DIY”」
さすがDIYの本場は違いますね。家は自分で直すもの、そして田舎生活は楽しいもの。コロナなんて関係ないといわんばかりの彼の自由人っぷりは羨ましくも思えました。
ちなみに、永住権のない彼は農地法の関係で「田畑」の購入が叶わず、定借での交渉したみたいですが、第3者との残り7年間の賃貸借の解除がかなわず、その第3者と一緒に農作業をさせてもらうことになったようです。
すべての手続きが済み、先週晴れて引っ越ししたみたいで、7月になったらパーティーするから来てくれ!と言われたので楽しみにしています。