タイ STYLE April 2018取材記①

2018/05/10

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タイ国政府通商代表事務所広島より、ファッション・ギフト・家具の3つの見本市「STYLE April 2018」(2018.4.19-21)の取材依頼を頂き、2010年夏のバンコク、アユタヤ、チェンマイ、チェンライのインテリアファブリックメーカーの企業訪問以来、8年ぶりにタイに行って参りました。前回は建築家との2名での訪問でしたが、今回は単独訪問でした。

 

1、STYLE April 2018(見本市)

2、kenkoon(高級アウトドア家具メーカー)

3、DEESAWAT(高級家具・フローリング・ドアメーカー)

 

の紹介をさせて頂きます。皆様の今後のビジネス・提案に少しでも活かせたら幸いに思います。

2018.5

社団法人インテリア産業協会中国支部 運営委員

住宅デザイン研究所 代表取締役

金堀健一

 

1、STYLE April 2018

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タイ国政府商務省国際貿易振興局(DITP)主催による、第2回目のライフスタイル商品の総合見本市「STYLE April 2018」が、4/19~23の5日間バンコク国際貿易展示場(BITEC、47,000㎡の会場)にて開催された。タイをメインとし、日本、中国、韓国、台湾、ガーナ、カンボジア、ラオス、ミヤンマー、ベトナムその他600社1,700ブースによる年2回開催される巨大なイベントである。コンテンツはファッション、ギフト、家具の3つの見本市を統合したもので、予想来場者数は5日間で60,000人、経済効果は38億バーツ(≒130億円)。

 

オープニングの翌日4/20に、アメリカ、オーストラリア、ミヤンマー、カンボジア、シンガポール、中国、日本(東京・広島)7か国8名の取材陣(私以外各国メディアの記者)による、タイ国政府商務省国際貿易振興局(DITP)のチャンティラー局長へのグループインタビューが行われた。内容は以下の通りである。

 

Q(アメリカ):なぜ3つのイベントを1つにまとめたのか?(かつてはファッション、ギフト、家具の見本市が別々に開催されていた)又、どこのマーケットの拡大をしたいと思っているか?

A:世界中のより多く人に来て頂きたいと考え、1つにまとめた。昨年より3つのイベントを1つにまとめて開催している。特に日本、台湾、中国等アジアのマーケットの拡大をしたい。

 

Q(カンボジア):タイ製品のマーケットは拡大しているか?又、カンボジアで見本市をする予定はあるか?

A:ライフスタイル商品のマーケットは拡大している。輸出額がこの1年で12%増加しており、過去5年間で最高の伸び率となった。カンボジアでも、機会があれば実施したい。

 

Q(シンガポール):タイの地方のプロダクトが普及していないのでは?この見本市の特徴は?

A:地方のプロダクトをもっとPRしたいと思っている。見本市で見てほしいのは、木をはじめとした自然素材を使った商品やリサイクル品。廃プラスチックのリサイクル素材でテーブル等を作っているものもある。

 

Q(日本・東京):日本のバイヤーに売りたいものは?

A:ホテルやリゾート向けの商品、高齢者向け・子供向けの商品が沢山ある。日本向けに商品開発をしている。オーガニック商品も見てほしい。

 

Q(カンボジア):最も多くタイ商品を購入している国は?

A:日本とアメリカ。家具・インテリア商品が多い。

 

Q(日本・東京):タイ国産商品の普及の為に国としてフォローしていることは?

A:メーカーへ、マーケットなどの教育サポートをしている。

  今回の見本市は600社1,700ブースを用意した。そして世界51カ国に向けて声掛けをしている。
アメリカでは4カ所で、日本では3カ所で展示会も開催している。

 

Q(中国):タイの商品が好きで購入したいと思っている中国人が多いが、どのようにして購入すれば良いか?

A:中国EC最大手・アリババグループ(中国)がタイ商品の通販事業を展開しているので、WEBで購入して頂くのが良い

  http://www.thaionemall.com/

 

Q(日本・東京):日本がタイ商品を輸入するメリットは?

A:タイは日本にニーズがあるものを研究しているので日本人の好みを知っている。タイ人のサプライヤー(輸出業者)も日本のことをよく知っている。

 

Q(日本・広島):シルクやチーク以外に世界に売り出したいタイ特有のマテリアル(原料・素材)はあるか?

A:パームの木(ヤシの木)や葉の他、ココナッツ・バナナの葉、それらの葉から作った鞄などの商品がある。

  現在魚の皮の研究をしている。何かのマテリアルとして使えるかもしれない。レモングラスを使った新しいファブリックも開発中である。

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Q(シンガポール):ミラノサローネに出展した若手デザイナーはどのように選定したか?

A:コンサルに選んでもらった

 

Q(アメリカ):このままファッション、ギフト、家具の3つの見本市を続けていく予定か?

A:この3つにさらにアートを付け加えたいと思っている

 

Q(日本・広島):この見本市の来場者数の予測は?

A:4/19-21の3日間の商談日は10,000人、22-23の2日間の一般公開日は50,000人合わせて60,000人だが、もっと多くの国々から沢山の人に来てもらいたいと思っている。

 

Q(アメリカ):インターネット社会であるが、それを使って普及していくのはどう思うか?

A:普及活動や商談はFACE to FACEが一番良いと思っている。

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チャンティラー局長を囲んで各国取材陣の記念撮影

 

 

ちょうどミラノサローネ(4/17-22)と時期が重なった見本市となった。サローネは家具やインテリアに限っていることや世界中からのトップブランドの出展に対し、STYLEはファッション、ギフト、家具の3つのコンテンツが混在していることやタイ国商品が中心であるという違いがあるが、1700という出展ブース数は私が経験した中ではサローネに次ぐボリュームであり、広大すぎてとても1日で見て回れる規模ではない。限られた時間の中で私は建築・インテリアの専門家であることから、家具(インテリア)のブースに絞って見て回ることにした。家具・インテリアのブースに限っても200社を超えるブールがあるため、見るべきポイントを「マテリアル(素材)」と「デザイン」の2つに絞り、午前中は全部をざっと見て目星を付け、午後目星を付けたブースのみを回ってみる作戦に出た。

 

EASYCOZY

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ゴム・パイン(国産材)とメープル(輸入材)を用いた白木の素材を活かしたタイデザインのナチュラル家具。タイでは自然素材が流行しているらしい。香港・韓国に輸出している。全てウレタン塗装だが、オイル仕上も欲しかった。

 

 

Mobella

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布地はタイ製、革は輸入。タイデザイン。2012年に畳製造最大手の(株)TTNコーポレーション(兵庫県伊丹市)が、家具産地・大川市(福岡県)にタイの高級家具に特化したインテリアショップ「TYPHOON (タイフーン)」をOPENしたが、その際に展示されていた家具が複数見られた。日本中心に輸出している高級家具。

 

 

PODIUM HOLDING GROUP

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オーク・チーク(輸入材)を中心としたタイデザインの高級家具。タイのイメージを含みつつレベルの高いデザインの家具。

 

 

DESIGN TEAK

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ブランド名そのままのチーク(国産材)を活かしたタイデザイン家具。アメリカ、オーストラリアに輸出しており、日本には輸出していない。ダイニングセットが100,000バーツ(≒34万円)と非常にコストパフォーマンスが高い。

 

 

MAHANAKORN SOFA

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ゴム・アカシア(国産材)を活かしたタイデザインのナチュラル系家具。日本に輸出している。ニトリにて販売。

 

 

STUDIO 128

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タイデザインの高級家具。ヨーロッパを中心に輸出。

 

 

PLANET HANDICRAFT

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ゴム(国産材)をエイジング加工してアイアンと組み合わせたタイデザインの特徴的な家具。塗装も特徴的。ヨーロッパを中心に輸出。日本人にもリピーター客がおり、タイで購入するとのこと。

 

 

以上が200社の中で目を引いた7社である。ゴムやチークといった地域材を活かしたデザインが特徴的だった。

 

 

以下はこれからの発展が楽しみな商品群。

MYE

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MYE(マーイ)はタイ語で「木」という意。タイの若手デザイナーの作品。国産木材とシャープなデザインに目を引いた。

 

 

P.A.D BANANA LEAF PRODUCT

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バナナの皮を使った小物類。財布やバッグ等特徴的な色彩とデザイン。タイ国産の自然のマテリアルを活用したチャレンジ精神満載のプロジェクト。

 

以下は米(もみ殻)を使った小物。

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60+ PROJECT SHOWCASE

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日本をはじめとした、高齢化社会に対応した商品プロジェクト。滑りにくいゴムを使用した靴や、木材や魚の皮から抽出したコラーゲンを混入した繊維から製作した布等がある。

 

METAL ZIGN

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見本市唯一のオーダーキッチンメーカー。1.2mm厚のステンレスを使用。棚や椅子等オーダーできる。イギリス、オーストラリア、フィリピンでの国外実績あり。機能やディテールにおいて世界基準に劣るが、オンリーワン企業として期待。

 

タイ インテリアショップ取材記②に続きます。

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