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社長BLOG



金堀健一

漆喰と珪藻土の違い

自然素材でよく使われる漆喰と珪藻土だが、どんな違いがあるのだろうか。

 

珪藻土

 

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珪藻土とは、珪藻という水中プランクトンの死骸が海底などに堆積してできた軟質泥土で、昔から七輪や保温レンガの素材として使われてきた。ビールや日本酒の醸造でろ過材にも使用されている天然素材である。
珪藻殻は細かい孔があいているのが特徴で、ここに水蒸気や音波などを取り込むため、断熱効果、保湿性、遮音効果が高く、エコロジーな素材として広く用いられてきた。また、土であるため、解体後も土に還るという大きな利点がある。

 

しかし、珪藻土は水で練っても硬化しない物質であり、セメントなどに混ぜて保温剤や断熱材として使われてきたようだ。今では、壁塗り材として使う場合には、バインダーと呼ばれるつなぎ材(接着材)にアクリル系樹脂などの化学合成されたものが使われていることが多い。

珪藻土のメーカーにより異なるが、もしアクリルエマルションや化学合成糊剤が使用されているようなら、天然素材とは考えにくい。珪藻土本来の良さを生かしきれない上に、健康になる住環境という目的からはふさわしくない。

また、最近は珪藻土をわずか混ぜたものを珪藻土として販売していることもあるので、注意が必要である。

 

漆喰

 

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日本古来の壁材料の一つである漆喰はどうだろうか。土蔵や昔の城に見られるあの白壁である。

漆喰の歴史は、大変古い。その起源は、5000年前のエジプトのピラミッドといわれているし、中国の万里の長城にレンガをつなぐ接着剤として使用されているのも漆喰であるという。

日本では戦国時代に城郭の建築技法として独自に発達した。

漆喰は、原材料である石灰岩(炭酸カルシウム)を焼成して生石灰(酸化カルシウム)から消石灰(水酸化カルシウム)となったものに麻糸などの繊維質を細かく刻み込み(スサという)、フノリ・ツノマタなど海藻を接着剤にして加え水で練って施工するものであるが、空気中の炭酸ガスを吸収して、最終的に仕上げとなった時には、元の炭酸カルシウムになる仕組みだ。

丈夫である上に、炭酸カルシウムは炭と同様に3~6.2マイクロメートルの遠赤外線を出しており、マイナスイオンを発生させるのである。

漆喰の一番の特徴は、防火性と耐候性だろう。

それゆえ、財産を守るために土蔵を漆喰にしたと思われるが、健康増進住宅の立場からは、マイナスイオンの発生ということに注目したい。

熟練した左官の技は、江戸時代には鏝絵(こてえ)という漆喰細工(漆喰の上にコテで風景や肖像などを描くもの)を生み、明治時代までその美術性は高く評価されていた。

近年、住宅が商品化してきた過程で、職人技を要する技法が必要なくなってきたことが、漆喰づくりを少なくさせてしまっている。

現代の住宅にこの漆喰を素材としてだけでなく、デザインとして復活させるのもおもしろいと思う。

ただ、漆喰の弱点として、気硬性のため硬化に時間を要するが、そこは、良い住宅はゆっくりつくって、心地よく長く住まうというスロー住宅の思想でいくことを大切にしたいと思う。

 

 

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