無垢の木を使った注文住宅を建てる時の注意点
1、実物を見てみる
無垢の木には長所と短所があります。
長所:断熱性がある、調湿性がある、肌触りが良い等
短所:傷が付きやすい、汚れやすい、燃えやすい、均質ではない(節等がある)等
長所と共に短所も同時に受け入れられなければ使うことができません。無垢の木の家に住んだことがなく、短所が不安な場合は、無垢の木の家で新しい家と5年以上経過した家を見て触れて体感してみると良いでしょう。
2、木視率を考える
木視率という言葉があります。部屋の中に立って見渡した時、木肌が見える割合を%で示すものです。
一般住宅では20%程度と言われていますが、40~50%が良いと言われています。木視率100%の部屋より、40%の部屋の方が落ち着くと言われています。
学術的に解明されている話ではありません(無垢の木の話はそういう話が多い)が、木がよほど好きで
ない限りログハウスに毎日住むのも疲れるのではないでしょうか。例えば床と天井を無垢の
木にすると、壁は他材の方が良いでしょう。
3、コストを考える
リノベーションでコストを抑える方法の1つは、既存部材を生かして解体や処分費をなるべくかけないことです。
例えば既存の古くなった複合フローリングは、そのまま上から無垢フローリングやコルクタイルを張ることができます。
その際、扉の開閉を確認し、建具の高さを短くカットする必要があることがあります。
又、ビニル壁紙も調整すればその上から漆喰や珪藻土を塗ることができます。
汚れ具合によっては、アク止めのシーラーが効かないこともありますので、注意が必要です。
又、工種を抑えることもコストカットにつながります。建築工事には、大工工事以外に解体、塗装、左官、壁紙、建具等の工種があります。特に小さい部屋のリノベーションでは、1時間で終わるような塗装工事も出てくる可能性があります。
その際、日当保障といって、大きな部屋の工事並に人件費がかかることがあります。極力工種を減らすか、他の部屋の同工種でのリフォーム依頼という工夫も必要でしょう。
そして、セルフビルド(施主が自らの手で施工すること)でチャレンジするのも良いでしょう。
フローリングや壁紙は工事が難しいのであまりお勧めできませんが、フローリングの上に自然塗料を塗布したり、壁に珪藻土を塗ることは施工素人でもできます。
そうすると施工費も安くなり、メンテナンスも自分でできるようになり、自分の家にさらなる愛着が湧くことでしょう。
4、マンションの遮音に気を付ける
マンションのリフォームの場合、管理規約でフローリングの遮音性能「L値」を指定されていることがあります。
一般的に流通している無垢フローリングのほとんどがこの「L値」という性能表示を持っていません。
遮音マットの活用やウッドワンの無垢ピノアース「グランドフローリングL-45」を使うと良いでしょう。
5、会社の選び方1~無垢の木にこだわりがあるか?~
無垢の木や自然素材は欠点が多いため、扱うのが大変難しい建築材料です。
新築やリフォームをお願いする場合は、無垢の木を使った設計・施工実績の質と数はもちろんですが、
会社の考え方や担当者の無垢の木に対する知識がないところに頼むと、大失敗することもあります。
リフォームは新築と違って無資格で仕事をすることができます。よって業者のレベルも天地の差があります。
最低でも担当者(営業マン含む)の建築士かインテリアコーディネーター資格の有無は確認しておきましょう。
特に、顧客の言いなりしかできない(提案がない)会社は危険です。新建材も自然素材も
単なる1素材と考え、同じように施工している可能性があります。
無垢の木を使うときは、顧客には無垢の木に対する「理解」、提案者側には「経験と思い・
こだわり」が必須なのです。
6、会社の選び方2~インテリアコーディネートしてくれるか?~
せっかくこだわって無垢の木を使ったリノベーションをしても、インテリアエレメント(家具・カーテン・照明)によっては台無しになることがあります。
部屋のイメージに合う家具やカーテン等も提案してくれる、又は相談にのってくれるインテリアコーディネーターが在籍する会社に頼むのが良いでしょう。また、インテリアエレメントの予算も別に確保しておきましょう。
無垢の木を使った注文住宅やリノベーションは、暮らしが変わります。
我が家に居ることが一番心地よく感じるでしょう。
ぜひ、そのような暮らしをしていただきたいと思います。