都市木造の可能性

2014/10/10

木の日である10/8に、「都市木造の可能性」という内容のパネルディスカッションに参加させて頂きました。

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木材業界も、建築業界も、「国産材を活用しよう」という国の政策は理解しています。

しかし、流通システムや人材・コスト・消費者の意識等川上から川下までそれぞれ様々な問題を抱えています。

 

まだまだ消費者の意識が低い中、短絡的と言われるかもしれませんが、都市木造を普及するには、レベルの高い建築家に美しく、目立つ公共建築物を1つ街中に創るのが良いと思います。

木は構造体そのものが意匠とならざるを得ず、鉄やコンクリートと違って構造的制約が多い。よって強い意匠的メッセージのもとで、最新技術の構造を合わせていく方法を取らないと、古臭く、ださいものになってしまいます。

ださいものを創ってしまうと、逆に木造普及にとってマイナスイメージを与えてしまうので、意匠設計には特に気を付けなくてはなりません。

やはり市民に対して現代木造のデザイン力と技術力を印象強く伝えることが必要なんだと思います。

 

木材業界も建築業界も、私から見たら閉鎖的な業界です。どちらも、「消費者は良い物を理解してくれん。木材業界が悪い、建築業界が悪い」という愚痴は得意です。でもそれではいけません。

 

そもそもなぜ木を使うのか?

「日本の森林を守り、CO2削減・地球温暖化防止、林業の活性化による雇用の創出をするため。」

 

完全なる正論です。

しかし、実は人間はそんなに高貴な生き物ではありません。社会性よりももっと前に、人間の「エゴ」を満たさなければ普及はしない。

なぜ木材を使うと良いのか。それは、とっても肌触りが気持ちよく、断熱性が高くて暖かく、良い香りがして目の保養ができて、感性が磨かれて本物の良さが分かるようになり、時が経つにつれ味わいを増して価値が高まり、子供たちが寝転がって遊ぶ姿を見ることができるようになるから。

そして、MADE IN JAPANは、安心して使える。

だから、使うのです。結果、日本の森林を守り、CO2削減・地球温暖化防止につながり、土砂崩れを防ぎ、川や海の生物も健全な状態を保つことができるのです。

無論、国や地方自治体・大学では木材普及の意義は社会性を前面に出すことが必要ですが、末端の、最も消費者に近い我々普及啓発者は、人間の「エゴ」を満たす部分をもっと前面に謳うべきではないでしょうか。

木や木造を普及させるには、社会性以外の必然性が必要なんだと思います。(コストの問題がまだ大きいですが)

環境に優しい木づかい!よりも、かっこいい木造建築!気持ちいい木質化空間!の方が分かりやすいですよね。

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